声優・藤原啓治さんの突然の訃報、とても驚きました。闘病中と聞いていたものの、所々復帰されていた矢先でした。少しずつ回復されていると思っていただけにショックです。同じ声優仲間や我々ファンからも続々と悲痛な叫びが聞こえてきます。
声だけでこんなに人の心を揺さぶれるのかと衝撃を受けたのは、藤原啓治さんがきっかけでした。まだ受け入れきれない気持ちの整理のために、藤原啓治さんの演じた芸術作品をアニメのキャラクター中心にまとめてみました。
今回まとめてみて、改めて、魅力的なキャラクターばかりを演じていらしていることがわかりました。きっと、藤原啓治さんのお人柄とも、当たらずといえども遠からずなのではないでしょうか。
2019年3月13日付けのgooランキングをもとにまとめてみたいと思います。
1位 野原ひろし【クレヨンしんちゃん】
藤原啓治ボイスの起源
言わずと知れたしんちゃんのお父さん、野原ひろしさんです。
普段はごく普通のサラリーマンのように振る舞っていますが、家族への想いは非常に熱く面倒見のよい面白くてかっこいいお父さんです。
主にギャグですが、劇場版などで魅せる数々の名ゼリフも話題になりますね。
作中、数えきれないほど「みさえ」と奥さまのことを呼んでいますが、「みさえ」の3文字だけで全ての感情が伝わるその演技力が圧巻です。
それぞれのボイスが絶妙に違う、藤原啓治さんの演じた野原ひろしの「みさえ」呼びだけ集めた特集とかも聞いてみたいですね。
2位 マース・ヒューズ【鋼の錬金術師】
お茶目と真剣の融合藤原啓治ボイス
軍部の中佐というお堅い立場の屈強な軍人でありながら、こちらも野原ひろしさん同様、家族を溺愛し、家族ネタではおちゃめを振りまくキャラクターです。
家族を愛するように、周りも熱く愛して面倒をみるため、いきすぎな妻子自慢も許され、皆に愛されています。
こちらでもまた、藤原啓治さんお得意の、ギャグ声とシリアス声の圧倒的な使い分けで、キャラクターのリアル感がものすごく増しています。
今回このキャラクターは初めて知って調べたのですが、マース・ヒューズの生き様をたどる数回の映像だけで、感動してしまいました。
作品の力もありつつ、藤原ボイスのマジックも大きいと思いました。
3位 服部全蔵【銀魂】
ギャグとシリアス爆発藤原マジック
主人公銀時と共に週間少年ジャンプを奪い合うほど愛するイボ痔持ちの忍者。
こちらも例外なく野原ひろし路線を継ぐ、おふざけと真剣の差が天と地ほど激しいキャラクター。
個人的には、この声で藤原啓治さんの虜になりました。
ギャグ中心のストーリの中に出てくるシリアスボイスと、完全シリアス中心ストーリーの中に時々挟まれるギャグテイスト、この使い分けの声表現がすさまじいです。
全て分析したい所ですが、シリアスシーンを一瞬だけご紹介!
4位 レオリオ【HUNTER×HUNTER】
ギャップ萌え藤原啓治ボイス
こちらもまた普段は粗暴なのに、本質は義理人情に厚く他人のために自分を犠牲にできる精神を持つキャラクターです。またしてもひろし路線を継承です。
ここまでくるとアニメの中に藤原ポジションがあるのではなく、藤原啓治がアニメポジションに必要不可欠と言っても過言ではないような気さえしてきました。
この映像だけでも、怒りを抑えながら激情までの感情表現がすごいです。
映像を見ていなくても伝わる臨場感があります。藤原マジックに脱帽です。
5位 アリー・アル・サーシェス【機動戦士ガンダム00】
極悪非道も憎めない藤原マジック
こちらは明らかなひろし路線からは少しはずれるものの、よくよく吟味すると本質は野原ひろしにつながるキャラクターだと思います。
アリー・アル・サーシェスは、民間軍事会社の傭兵で戦争を好む最低最悪人間を自称しています。戦争において「必ずしも人は分かり合えるものではない」ということを踏まえた上で、その哲学を体を張って表現するキャラクターです。
粗暴な態度や言動がありつつも、各責任者と交渉したり、配下には信頼を得ていたりする本質が読みにくいキャラクターです。
藤原啓治ボイスを起用したことで、このキャラクターにひろしの人情味が足されているような気がしてしまいます。
極悪非道なキャラクターを憎みきれない気持ちにさせてしまうところは、さすが藤原マジックだと思います。
番外 12位 ハンネス【進撃の巨人】
キャラ成長の演じ分け藤原マジック
個人的に好きなキャラクターなので、かかずにはいられません。普段は仕事中に仲間とお酒ばかり呑んでいる呑んだくれとして描かれています。「暇こそが平和」という信念を持って呑んだくれています。
主人公エレンの母カルラを助けられなかったことをきっかけに、本来の仕事に精を出すようになります。
主人公エレンたちの親がわりのような存在として随所にさりげなく登場し、主人公たちを見守ります。
呑んだくれていた時の声と、その後、真面目に働いて役職についてからの声の演じ分けがすさまじいです。
Season2までのご参加でした。藤原啓治さん演じるハンネスさんは、エレンやミカサ、アルミン役を演じた方々の中でもきっと、ハンネスさんのような存在だったんじゃないかと勝手に推察しています。藤原ハンネスさんは、永遠です。
まとめ
藤原啓治さんの演じたアニメキャラクターは、おちゃらけたおちゃめな面がありつつも、芯のあるキャラクターでせつなカッコよすぎる男性役が多いです。
一緒にお仕事した方からも、メディアを通してだけ知っていた多くのファンからも、悲しみとお悔やみの声が途絶えることがありません。筆者もまとめていながら涙が出てきました。
これだけの方に愛されていたのは、藤原啓治さんご自身が、演じたキャラクターのように温かくて魅力的な方だったのだと思います。
声で演じるということに対して、藤原さんが伝え続けてくれた声優哲学は、これからもずっと後世に受け継がれていくことでしょう。
1ファンとして、何度も聞き続けていきたいと思います。
いままでおつかれさまでした。数々の感動をありがとうございました。
誠に勝手ではございますが、藤原啓治さんは我々ファンの中でずっと生き続けます。これらもどうぞよろしくお願いします。
さいごに かなりの番外編
藤原啓治さんは、おちゃめなキャラクターを演じていたことが多かったですし、エンターテイナーとしても、我々に笑いを提供してくれていました。
きっとファンにも笑っていてほしいと思ってくれているんじゃないかなと思います。ファンの作ったお茶目動画もきっと知りながらも、見守ってくれていたことと思います。
そんな寛大なお人柄に甘えつつ、さいごにこちらの動画をはらせていただきます。ニコニコ動画に飛んでみてください。